連系線を利用する電力は、間接オークション制度により割り当てが決まっています。連系線の利用ルールである間接オークション制度ついてわかりやすく説明します。
間接オークションの目的
2018年9月までは「先着優先ルール」に基づき、連系線に流れる電力を決めていました。
先着優先という名の通り、利用を申し出た順に連系線を利用する権利を予約することができるルールですが、既に先着者により空容量が不足している連系線もありましたので、安いコストの新規電源を作っても連系線を使うことができないといった状況が生まれていました。
電力需給の基本は、発電コストの安い電源から動かしていく「メリットオーダー」ですので、それを実現するため、発電コストが安い順に連系線を利用できるような制度に変更するよう国の審議会で検討が進められました。
その結果、広域機関では2018年10月から、前日スポット市場での約定結果に基づき、入札価格の安い電源順に連系線の利用を可能とする間接オークション制度が開始されました。
間接オークションの目的は、スポット市場を介することで、連系線を効率的に利用し、広域的なメリットオーダーを実現することです。
間接オークションの制度
先着優先ルールでは、連系線の利用計画を提出した順に送電容量を割り当て、前日10時の段階でまだ容量に空きがあれば、スポット市場での取引に活用されていましたが、間接オークション導入後は、全ての連系線容量は、最初からJEPXの前日スポット市場取引に割り当てされることになりました。
また、前日スポット市場で余った連系線空容量は、その後の時間前市場で活用されます。
前日スポット市場での約定処理により、コストの安い電源から順に連系線に割り当てされますが、エリア間での買いと売りの組み合わせが多く、連系線の空容量以上の潮流となる場合(混雑と呼ぶ)は、エリア内での組み合わせに移行します。
エリア内での組み合わせを行うと他のエリアとスポット約定価格に値差が生じ、電力が不足するエリアほど価格が高くなります。連系線が混雑し、エリア間で値差が生じることを市場分断といいます。
エリア間で電力を融通したい事業者は、間接オークション制度に従い、前日スポット市場にて、送電エリアで売り入札、受電エリアで同じ量の買い入札を行うことで疑似的に従来通りのエリア間電力融通を行うことができます。
ただし、市場分断により値差が生じる場合、価格の高いエリアへの送電は値差による損失が発生し、反対に価格の安いエリアへの送電は値差による利益が発生します。間接オークションでは、エリア間の電力融通において、値差による価格リスクが生じることとなります。
まとめ:間接オークション
2018年9月までは「先着優先ルール」に基づき、申し出た順に連系線を利用するルールでした。
連系線を効率的に利用し、広域的なメリットオーダーを実現するため、2018年10月から、前日スポット市場での約定結果に基づき、入札価格の安い電源順に連系線の利用を可能とする間接オークション制度が開始されました。
先着優先ルールでは、連系線の利用計画を提出した順に送電容量を割り当て、前日10時の段階でまだ容量に空きがあれば、前日スポット市場での取引に活用されていましたが、間接オークション導入後は、全ての連系線容量をJEPXの前日スポット市場取引に割り当てるよう変更されました。
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