【地域間連系線】全国9エリアをつなぐ地域間連系線

目次

連系線とは

日本の電力系統は、電力会社ごとに9つのエリア(沖縄除く)に分割して管理されています。

各エリアは、送電線でつながれており、各エリア間をつなぐ送電線(または周波数変換設備)のことを連系線(地域間連系線と呼ぶこともあります)と呼んでいます。つまり連系線とは、電力系統間をつなぐ送電線のことをいいます。

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送電線の役割を道路に例えると、電力会社が管理している電力系統エリアは大きな街のようなものであり、送電線は流通を支える街の道路のような存在です。そのなかでも連系線は、大きな街と街をつなぐ高速道路のような役割をもっています。

日本の連系線

下図は日本の電力系統を表したもので、9つの電力系統エリアとそれをつなぐ連系線が記されています。各エリアをつなぐ黒い線すべてが日本の連系線です。黒い線は送電線ですが、四角の記号は周波数変換所を表します。

9つのエリアは連系線で相互に接続され、互いに電力のやり取りが可能となっています。連系線は電力広域的推進機関(広域機関)が管理し、各エリアの電力系統はそれぞれの地域の電力会社(一般送配電事業者)が管理しています。

出典:広域機関運用容量検討会

東京エリア(50hZ)と中部エリア(60Hz)では、周波数が異なるため、直接送電線でつなぐことはできず、周波数変換装置という巨大な装置を介して接続されています。

出典:東京電力PG 新信濃(変)周波数変換装置

ほかにも、北海道~東北間、中部~北陸間、関西~四国間で周波数変換装置が使われていますが、北海道~東北は、距離が長い直流海底ケーブルを用いるため、交流を直流にし、再度交流に戻す必要があることから周波数変換装置を使っています。中部~北陸、関西~四国では、既に他の場所を介して連系線が接続されているので、エリア間で想定外の電力が流れないように、周波数変換装置を使って連系線を流れる電力の量を調整しています。

連系線の役割

連系線の役割として、エリア間の電力の融通があります。例えば、あるエリアの電力が不足したときに、余裕のあるエリアから電力を融通することで、全体的な供給信頼度の向上に貢献できます。実際に、供給力が不足した際は、電力広域的運営推進機関の指示により、エリア間の電力融通が実施されています。

出典:関西電力 https://www.kepco.co.jp/corporate/liberalization/monitori

違うエリアに電力を送電したいときにも連系線を利用します。例えば、九州の発電機から東京の需要家に電力を送電するときには、その間の連系線を通して電力を送電することができます。

また、電力の特徴として、需要に対して、常に同量の供給力を維持する必要があります。需要と供給力のバランスを維持するには、できるだけ大きな電力系統として運用した方が有利になることから、基本的に各エリアは常に連系線で接続され、日本全体を一つの電力系統として運用しています。

まとめ:連系線とは

連系線とは、電力系統間をつなぐ送電線(または周波数変換装置)のことです。日本では、9つのエリアが相互に連系線により接続されており、連系線の管理は、電力広域的運営推進機関が行っています。

連系線は、電力が不足した際に他エリアから電力の融通を行うのに利用されたり、エリア間の電力売買に利用されたりと、日本の電力系統には欠かすことのできない設備です。

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