連系線は、日本の9つに分けられた電力系統エリアをつなぐ送電線(または周波数変換装置)ですが、連系線に流せる電力には上限値が決まっており、運用容量とはその上限値のことです。
連系線に流せる電力の上限値
連系線は、電力広域的運営推進機関(広域機関)が管理しており、運用容量の定義について以下のとおり公表しています。
連系線は、設備としては送電線や周波数変換装置のことであり、流せる電力の量には上限があります。例えば、電力を流すと必ず熱が発生し、大量の電力を流しすぎると熱により送電線が溶けたり、周波数変換装置が破損してしまいます。
そのような事態にならないように、事前にどこまで電力を流すことができるかを検討し、もとめられた上限値のことを運用容量と呼びます。
運用容量の決め方
運用容量は上限値により決まります。上限値の考え方については、広域機関で公表されています。
連系線に限らず、電力系統に流せる電力の量(潮流)は、主に「熱容量等」「同期安定性」「電圧安定性」「周波数維持」の制約要因により決定されます。下図のように4つの制約要因すべてをクリアできる潮流の値が上限値であり、それが運用容量となります。
各制約要因については、下記の記事で紹介しています。
運用容量の公表情報
運用容量は、広域機関が算出し、運用容量検討会にて内容を確認したのち、毎年3月に次年度の算出結果が公表されます。その後は、月間、週間、翌日といったタイミングでその時点での条件を反映し、適宜値が更新されていきます。
運用容量検討会の資料は、誰でも閲覧できますので、算出の条件や結果について確認することができます。
また、日々の運用容量については、広域機関の系統情報サービスにて詳細な情報が公開されており、各連系線の運用容量や潮流の状況が数値やグラフで確認できるようになっています。
まとめ
連系線の運用容量とは、連系線に流せる電力の量(潮流)の上限値のことです。
上限値は、4つの制約要因「熱容量等」「同期安定性」「電圧安定性」「周波数維持」をすべて満たす最小値になり、広域機関の運用容量検討会にて検討され、算出結果や方法など詳細な資料が公表されています。
日々の連系線の運用容量は、広域機関の系統情報サービスで確認することができます。
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